県高校総合体育大会の先行開催競技の自転車が15日、沖縄市の県総合運動公園自転車競技場で始まった。第1日はエムプレオ・トシアキ(北中城3年)が男子1キロタイムトライアルで優勝し、チームスプリント、チームパーシュートと合わせて3冠した。女子500メートルタイムトライアルは池原杏(同2年)が40秒564の県高校新記録で2連覇した。16キロポイントレースは山中蒼天(同3年)が50点を取り、この種目で初の栄冠をつかんだ。16日は残りのトラック競技、17日はロードレースを行う。昨年の県総体は一部競技を除いて実施されたが、全国高校総体は中止。今年は7月下旬から全国総体・北信越総体が予定されている。県総体は29日に本格開幕し、計31競技が行われ、全国出場枠を争う。今年も感染症防止対策として学校施設を会場とする競技、離島開催競技は無観客となる。
周回ペースに強弱 戦術的中
一気に先頭に出てペースを上げるかと思えば、勢いを緩めて番手を落とす。山中蒼天が強弱を付けたレース展開で集団のリズムを乱し、倍のポイントが付く最終8回目のポイントラインを、狙い通り1着で駆け抜け差を広げて勝利した。
2キロごとにポイントラインが設けられ、その通過順位の1~4位に5~1点が加算されるポイントレース。これを8回行い、合計を競う。
「体力に自信はあった」と山中は最終回の2倍となる10点を狙っていた。それまでは着実な加点を心掛ける。たびたびリズムを変えて自分のペースに持ち込む一方、集団の体力を削りにかかった。
戦術は的中。序盤から中盤は1位を譲りながらも「焦りはなかった」。常に好位置を確保し、全ての回で4位以上に入ってポイントを積み重ねた。
チーム内では長距離が専門。自宅は本部町で、月に数回は自転車で通学する“自主練”で地道に鍛錬してきた。終盤になっても「体力はまだ大丈夫だった」と、集団に1周差をつける周回得点の20点も奪う強さも発揮した。
本命は16日の3キロ個人パーシュート(追い抜き)。全国の標準タイム3分50秒を切って「大会記録も目指したい」と勢いに乗って優勝を狙う。
(謝花史哲)
記録更新ならず「残念」
3冠したエムプレオ・トシアキの話 1キロタイムトライアルは昨年、(玉城翔太)先輩が残した大会記録を超したかったが、思っていた通りのタイムが出なくて残念。自己ベストも更新できなかった。タイムは悔しいが、九州に自信を持って臨めるよう2日目も一つ一つ取っていきたい。
満足はしていない
県高新を出した池原杏の話 優勝できるくらいの練習はしてきた。目指すは全国で戦える力。(公式での自己ベストにも)正直満足はしていない。スタートがまだまだ。全国で勝負できる37秒台が目標なので、足りないところを補っていけるようにしたい。