きいやま商店、3年ぶり新作「アカサタナ」で真骨頂 ナオト・ インティライミ完全プロデュース


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満を持して新作アルバム「アカサタナ」をリリースしたきいやま商店=5月13日、那覇市の琉球新報社(喜瀬守昭撮影)

 石垣島出身の兄弟いとこで結成された3人組バンド「きいやま商店」が4月28日、3年ぶりの新作となるミニアルバム「アカサタナ」を発売した。

 ニューアルバムは、シンガー・ソングライターのナオト・インティライミが全曲プロデュースを手掛けた。きいやま商店らしさを残しつつ、コラボレーションでよりポップな音楽に仕上がり、新しいきいやま商店を楽しめる。

 ナオト・インティライミとはデビュー前からの仲で、きいやま商店のライブにお忍びでやってきたり、一緒にサッカーを楽しんだりするなど20年近く交流が続いているという。きいやまメンバーのマストは「ずっとナオトと一緒にやりたいねと言っていた」と感慨深げだ。今回のアルバム制作は、きいやまメンバーがコロナ禍の曲制作で悩んでいた時期に、ナオトにアドバイスを求めたことがきっかけで実現したという。

アルバム「アカサタナ」のジャケット

 ナオト自身はコメントで「こんな老若男女に受けるアーティスト他にいないでしょ!ほんとにかっこいいしリスペクトがとまらない」ときいやま愛を表現し、「このアルバムが『沖縄を感じる2021年の名盤』と、数年後にきいやまの3人とファンの皆さまと感じあえたら」と熱い思いを記している。

 アルバムは既に反響があるといい、だいちゃんは「きいやま商店を知らなかった人たちが聴いてくれているのに驚いた」と話す。
 1曲目の「きいやまのアカサタナ」は、沖縄や石垣の言葉をノリの良いメロディーに乗せたリズムソング。YouTube(ユーチューブ)で公開されているミュージックビデオは、ダンスの振り付けを元Dragon Ash(ドラゴンアッシュ)のDRI-V(ドライブ)が担当した。沖縄ゆかりの人気TikToker(ティックトッカー)たちが出演し、きいやまメンバーたちとともにコミカルなダンスを披露している。リョーサは「子どもたちが曲を聴いてずっと踊っている」と笑う。

アルバムへの思いやコロナ禍での活動について語るきいやま商店=5月13日、那覇市の琉球新報社

 アルバムの最後「アノコトバ」は、きいやま商店初のラブソング。リョーサは「今まで3人で一緒に歌詞も作っていたが、ラブソングは恥ずかしくて、一回もなかった。ナオトが『1曲ラブソングをやろうよ』と。それぞれ恥ずかしいこともぶっちゃけて思いを送って、ナオトが今どきの言葉にまとめてくれた」と振り返る。

 「エンタメ親族ユニット」を称するバンド活動は13年目に入った。マストは「沖縄で僕らのことを知らない人もまだいっぱいいる。初めて僕らの曲を聴く人でも楽める音楽を、このアルバムでは作れたと思っている」と力を込める。リョーサは「聴いている時だけはコロナを忘れて楽しんでもらえたら」と話し、だいちゃんは「まずは沖縄から爆発的に(広がってほしい)。そこから県外にも届けていきたい」と意気込んだ。

(田中芳)

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  ミニアルバム「アカサタナ」は全5曲収録。税込み2000円。7月18日、沖縄市ミュージックタウン音市場でレコ発ライブが開催される。午後5時開演。問い合わせはピーエム・エージェンシー☎098(898)1331(平日の月~木、午前11時~午後2時)。