沖縄、緊急事態の適用を要請 県独自の医療非常事態宣言を発出


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 沖縄県は19日、政府に対して新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「緊急事態宣言」の対象地域に沖縄を加えるよう要請した。近く政府の基本的対処方針分科会で議論された後に、政府が追加の可否を判断する。追加が決定した場合、県は飲食店などの全県的な休業要請など、より強い規制をかけ、感染者数の減少を目指す。また、大型連休後の爆発的な感染拡大で医療提供体制が危機的状況にあるとして、県独自の「県医療非常事態宣言」を出し、県民に危機意識を訴えた。

 政府が緊急事態宣言の発出を判断する際などに専門家に意見を求める「基本的対処方針分科会」の日程は19日時点で決まっていないが、早ければ21日にも開催されるとの見方が上がっている。
 
分科会に先立ち、医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な事項について、厚生労働省に助言を行う感染症対策アドバイザリーボードの会合が19日に開かれた。

 沖縄の感染状況について、脇田隆字座長は今後、高齢者の感染や重症者の増加、医療の逼迫(ひっぱく)につながる可能性を挙げ、「タイムリーに強い対策を取る必要がある」と説明した。

 謝花喜一郎副知事は19日に記者会見し、県内の救急病院で受け入れ制限が行われ、感染症以外の医療にも大きな影響が生じていることを説明。救急搬送で受け入れる医療機関の選定が難しい事例も発生しているとして、「さらなる深刻化は県民の安心安全な暮らしを揺るがすもので、絶対に避けなければならない」と医療面の深刻さを訴えた。

 医療非常事態宣言では県民に対して、(1)不要不急な救急受診を控える(2)体調不良の人は仕事を休ませる(3)ルールを守らない飲食店は利用しない―などの対策を求めた。

 また、謝花副知事は県外からの不要不急の来県を自粛し、やむを得ず来県する場合は出発地でPCR検査を受け、県民との会食は厳に控えるよう求めた。