研究心と努力、著しく成長 目指す全国入賞 男子棒高跳び・山城亜倫(普天間)


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 県高校総合体育大会は陸上、卓球、バドミントン、テニスが22日から各地で始まる。男子棒高跳びで成長著しい山城亜倫(普天間3年)は全国を見据えて競技に臨む。山城は23日に登場する。

県高校総体を前に試技の感覚を確かめる山城亜倫=15日、県総合運動公園

 これまで全国の舞台で活躍した県勢が少ない陸上の男子棒高跳びに、成長著しい選手がいる。小学生の頃から競技に親しんできた普天間高3年の山城亜倫(ありん)(17)だ。現在の自己ベストは4メートル50で、県内で敵なし。4メートル80まで記録を伸ばせば、全国総体で決勝進出に手が届く可能性が高い。2年ぶりに行われる全国の舞台で高々と舞い上がる日を思い描き、鍛錬を積む。

 棒高跳び選手だった父・辰美さんの影響で、小学校高学年でポールを握った。中学もバスケ部に所属しながら練習を重ねていたが、中学3年時の最高は3メートル80。「元々筋肉が付きにくい」と体の成長が追い付かず、当時目標にしていた4メートル超えはできなかった。

 高校でまず取り組んだのは走力の強化だ。「1年の時は同級生の中でも本当に遅かった」というが、足が後ろに流れるのを防いだり、助走で接地する瞬間の反発の感覚を探ったりと地道にフォームを改善。今では100メートルを11秒台で駆け、試技に勢いを生む。

 さらに高校2年の冬季で筋力強化に注力した。部活動後の自主練習でも近所の公園にある鉄棒を使い、空中姿勢を意識した練習で体幹を鍛えた。より硬く、長いポールを使いこなせるようになり、曲げたポールから受ける反発力が大きくなって記録も伸びた。

 昨年9月の県新人は4メートル30だったが、今月上旬の記録会では4メートル50を記録した。1週間後の沖縄選手権では4メートル60に挑戦。バーを越えた後に胸をこすって惜しくも失敗したが「もう跳べる」と感覚はつかんだ。

 旺盛な研究心で地道な努力を重ね、着実に成長を続けてきた大城。フォームについても「跳ぶ時に前にある左手が曲がってしまうので、伸ばせるようにしたい」と改善に余念がない。「全国入賞」に目標を置いた夏の挑戦が、幕を開ける。

 (長嶺真輝)