自宅待機約700人…沖縄コロナ「望む治療できぬ恐れ」 感染最多231人


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 新型コロナウイルスの22日の新規感染者が231人に上り、過去最多を2日連続で更新した。療養者数は1899人と9日連続で最多を更新し、このうち入院や療養先が決まらず、自宅で待機している人も700人近くに上る。県の糸数公医療技監は、病床確保を上回るペースで入院者が増えていることに危機感をあらわにした。このままのペースが続いた場合、重症化しやすい高齢者などが治療を受けられない状況も想定され、医療が逼迫(ひっぱく)していると深刻な懸念を示す。

 糸数技監は、感染の急拡大で入院できる医療機関が限られてきているとし、「個々の希望する治療に添えなくなる可能性も想定しないといけないところまで逼迫している」と説明した。1日の感染者数がこのまま200人のペースで続いた場合、回復の見込みがない人は治療ができなくなることに対して「考えざるを得ない。今のペースで1週間たつと、かなり厳しく危機的な状況になる」と述べた。

 高齢者や介護を受けている人が感染すると、急に重症化して自発呼吸ができない場合がある。その際、高齢者の気管に挿管して人工呼吸器で治療をしても、若い世代に比べ、回復の可能性は低くくなるという。

 糸数技監は「高齢者本人と家族はあらかじめ、重症化した場合に人工呼吸器の治療を行うか、心臓が止まった場合に電気ショックや心臓マッサージを行うか、治療方法を決めていただきたい。そういう情報がないと、医療現場は混乱することもある」と勧めた。

 緊急事態宣言下にある関西や福岡県の医療現場では、人員や病床、人工呼吸器の不足などから、治療の優先順位を決める“命の選別”が迫られている状況もある。