【中部】本島中部9市町村の65歳以上ワクチン集団接種会場へ、看護師や医師を派遣している中部地区医師会(北谷町)が、新型コロナウイルス感染拡大で人繰りに苦慮している。同会によると、感染者増加への対応で大型病院からの派遣が難しい状況などがあり、「看護師が圧倒的に足りない」という。6月から看護師や医師の派遣が予定より減らされて、市町村から不安の声が上がっている。
中部のうるま市、沖縄市、宜野湾市、読谷村、嘉手納町、北谷町、西原町、北中城村、中城村は集団接種で地域の医療格差が生じないよう、同会所属医療機関の看護師や医師の派遣などに関する契約を、同会と結んでいる。会場では主に医師が問診をし、看護師が注射をする流れとなっている。
同会は人繰りが難しい理由として、高齢者への接種完了が7月末に設定されるなどスケジュールが過密になったり、自身の接種が終わっていない開業医や看護師が派遣に手を上げなかったりすることが要因としてあるという。
医療現場の病床占有率が100%を超える日がある一方、夜勤明けや休日の看護師が接種会場へ駆け付け「大変な中、みんなが協力している」(同会)現状がある。派遣人数が減る自治体もあるが、同会は問診で手の空いた医師が注射も担うことで対応する構えだ。
同会の松嶋顕介副会長は、読谷村にある自身のまつしまクリニックで午前にワクチンの個別接種をし、午後に集団接種会場で仕事をする日もある。現場がこなす接種者の数は増えてきているとし、「手順に慣れてきて(体制が)グレードアップし中身が充実してきている」と受け止める。人繰りが大変な中でも現状で対応する考えを示した。ある自治体職員は「現場は大変で不安だが、互いに連携協力していく」と話した。