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沖縄の米軍基地50%以下に 玉城知事、政府に初の要請


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岸信夫防衛相(左)に在沖米軍基地の整理・縮小を求める要請書を手渡す玉城デニー知事=27日、東京都の防衛省

【東京】沖縄県の玉城デニー知事は27日、東京都内で加藤勝信官房長官や岸信夫防衛相らと面談し、6項目からなる米軍基地の整理・縮小策の実現を求めた。沖縄の日本復帰から来年50年を迎えるのに合わせ、全国の米軍専用施設のうち沖縄にある施設が占める割合を現在の約70%から「50%以下」とすることが訴えの柱で、新たな要請に基づく政府幹部との面談は初となった。加藤官房長官は「現在決まっていることを着実に進める」と述べるにとどめ、現行の再編計画以上のさらなる削減には慎重な姿勢を示した。

米軍専用施設の50%以下への削減の求めに対し、岸防衛相も現行計画を進める国の立場を強調した。米軍普天間飛行場の移設計画の見直しについては、「辺野古移設が唯一の解決策だ」と改めて語った。

面談後、玉城知事は記者団に「初めての要請であり、きょうからスタートだ」と強調した。今後、全駐留軍労働組合沖縄地区本部(全駐労)や軍用地主会などとも意見交換を行い、「さらなる基地返還に向けた知見を構築したい」と述べ、基地負担軽減策の具体化を図る考えを示した。

要請は、米軍専用施設の比率を50%以下とすることのほか、日米地位協定の抜本的な見直しなどを求めた。訓練水域・空域の削減も初めて国に求めた。

玉城知事によると、普天間飛行場などで増加する外来機の飛来に、加藤官房長官は「地元の負担になっており、米軍と引き続き調整する」と話したという。

在日米国大使館で面会したニコラス・ヒル首席公使は、米軍基地で働く日本人従業員へ米側がワクチン接種を進めたいが日本側から返答がないとして、玉城知事に協力を求めた。

玉城知事は加藤氏、岸氏、ヒル氏のほか、宇都隆史外務副大臣、内閣府の藤井比早之副大臣、岡下昌平政務官と面会した。河野太郎沖縄担当相にも電話で、ワクチン接種などで財政支援を求めた。