外来植物が急激に繁殖…固有種絶滅の危惧も 渡嘉敷島


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
道路沿いの樹木を覆いつくすモミジヒルガオ=13日、渡嘉敷村内

 【渡嘉敷】渡嘉敷島で外来植物の「モミジヒルガオ」(紅葉昼顔・ヒルガオ科)や、アメリカハマグルマ(キク科・キク亜種)が数十年前から野山や村道・林道沿いですごい勢いで繁殖し、希少な自生植物を覆い尽くし島の生態系を脅かしかねない状況になっている。

 「モミジヒルガオ」は鑑賞用として台湾などから導入され、アフリカ大陸原産。島の低地から高地に自生する樹木の幹にへばりつき、つるが樹上全体を覆い尽くしている。

 60年余り前に本島のやんばるから渡嘉敷村に持ち込まれて繁殖した沖縄の固有種「イジュ」の木にからみついて樹冠を覆いつくすなどして枯らし、絶滅する恐れがある。花の色はピンクや薄紫で見た目はアサガオに似ている。

 「アメリカハマグルマ」は日当たりの良い村道、林道沿いで「グンバイヒルガオ」のようにつるが地面に這うものや樹木などにからみついているものもある。戦後、米国から県内に持ち込まれ、道路沿いなどに数多く生息する「タチアワユキセンダングサ」(キク科1年草)も同様に厄介な外来植物だ。

 渡嘉敷村で外来植物の調査研究に取り組む渡嘉敷中学校1年の國仲昊(こう)さん(13)も「このままでは島の希少な自生植物が絶滅する恐れがあるのではないか」と心配している。
 (米田英明通信員)