沖縄労災死傷1352人最多  20年、コロナ拡大押し上げ


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 沖縄労働局は28日、2020年の1年間に県内で発生した労働災害(休業4日以上)の死傷者が前年比106人増の1352人で、1972年の統計開始以来最多の件数と発表した。新型コロナウイルスの感染拡大も押し上げ要因となった。死亡者は前年比2人減の9人で、うち7人を建設業が占めた。労働災害の63・2%が第3次産業で発生し、建設業が13・2%、製造業が12・6%と続いた。

 死傷者の半数以上を50歳以上が占め、60歳以上は右肩上がりで増加し、10年間で約3・5倍となった。業種別の災害発生状況を見ると、「転倒」が前年比10・9%増の346人、「墜落・転落」が同5・2%減の199人、「動作の反動・無理な動作」が4・8%増の175人だった。

 新型コロナ感染による労働災害は全産業で計95人、うち保健衛生業(医療保健業と社会福祉施設)が80人で最も多かった。外国人も31人被災している。国別ではベトナムが13人で最も多く、インドネシアが5人などで次いだ。在留資格別では、技能実習が12人で最多となり、身分に基づく在留資格が7人と続いた。

 沖縄労働局の福味恵局長は「全国では長期的に労働災害が減少傾向にあるが、沖縄では災害の減少が見られない。労働人口の高齢化などで最近増加傾向が見られる。(職場では)より安全対策を取っていく必要がある」と話した。