無観客でも保護者ら心のエール 沖縄県高校総体きょう本格開幕


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緊急事態宣言で全面的に無観客となる県高校総体。宣言期間の初日に当たった先行競技の陸上も無観客となり保護者らは場外から様子を見つめた=23日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 沖縄県高校総合体育大会が29日、本格的に開幕する。先行競技は観客を入れて行われていたが、新型コロナウイルス感染対策の緊急事態宣言の発令後に無観客に方針転換。3年生にとっては最後の夏の大舞台も感染対策で異例の大会となった。生徒や保護者らは試合会場で応援できないことを残念がりながらも、熱いエールを静かに送る。

 先行競技が実施された22日。沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで始まった陸上は保護者らが指定エリアで観戦し、生徒を見守った。だが、沖縄に緊急事態宣言が発令された23日から無観客に切り替わり、保護者らはスタジアムの場外から見詰めた。

 29日以降も全面的に無観客となる。那覇市内の高校の女子バレー部はSNSを活用して試合の様子をオンライン配信する予定で、登録メンバー以外は自宅で応援するという。1年生らは「頑張ってほしい。それだけだよね」と声をそろえた。

 宜野湾高校の仲宗根勝校長は「3年生にとっては最後の大舞台で次はない。無事に大会が開催され、生徒は全力を尽くしてほしい」と願う。同校2年の女子生徒(16)は「3年生はこれが最終ゴール。直接会場には行けないけど、これまで以上に応援している」と笑顔で話した。

 昨年は屋内競技は無観客で、屋外競技は制限付きで保護者の入場が許可された。県青少年育成県民会議理事で、県高等学校PTA連合会会長を務めた宮城光秀さん(52)=八重瀬町=は「2年連続の無観客開催は、生徒の活躍を期待する保護者にとっても残念なことだ。一方、大会が開催できることは良かった。生徒はこれまでの練習成果を十分に発揮してほしい」とエールを送った。