「沖縄狙い撃ちだ」 市民活動も制限の恐れと懸念 基地周辺土地規制法案


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 自衛隊や米軍の基地など安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する法案が衆院内閣委員会で可決され、来月1日にも衆院を通過する運びとなった。基地機能を「阻害する行為」が規制対象だが、調査対象は外国人だけでなく自国民にも及び、市民の活動が規制される恐れも指摘されている。新基地建設に抗議する人々は怒りの声を上げた。

 「なし崩し的に可決された」。基地に反対してきた土木技術者の奥間政則さん(55)はため息をつく。「ドローン規制法もそうだが、いったん可決されると国は恣意(しい)的に解釈し、国策に反対する市民運動を排除する」と指摘し、「辺野古新基地建設や離島の自衛隊基地、原発再稼働に対する反対運動も国が好ましくないと判断すれば排除したり、思想信条を調査したりする権限を国に与えることになってしまう。もっと危機意識を持つべきだ」と強調した。

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「集会の自由を妨げる“人権規制”の法案だ。沖縄を狙い撃ちしている」と憤った。同時に「国民も法案に対する反対の声が弱い。自分の身に降り掛からないと思っているからだろうか」と述べ、県外との温度差も懸念した。