高校総体・相撲 中部農林の玉城と與那覇、狙う無差別級の頂点


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 県高校総合体育大会は29日、22競技が各地で開催される。相撲は小学校時代からのライバルで、現在はチームメートの玉城頼(らい)(中部農3年)と與那覇大地(同)が個人無差別級の決勝対決を目指し火花を散らす。

高校総体に向け稽古に励む(左から)玉城頼と與那覇大地=19日、うるま市の中部農林高校(大城直也撮影)

 土俵上に気合のこもった掛け声が飛び交う。足腰を鍛え抜く稽古で体中から汗がしたたり落ちる。つわものぞろいの中部農林相撲部。眼光鋭く稽古に励むのが主将の玉城頼だ。高校生と思えない貫禄と風格を漂わせる。一方で、温和な表情ながら内なる闘志を燃えたぎらせるのは副主将の與那覇大地。小学生の頃から競い、互いに精神、技術を磨き合ってきた。最後の総体。個人無差別級で共に勝ち進めば、決勝で顔を合わせる。

 玉城は175センチ、115キロ。「右四つに持ち込めば誰にも負けない」と揺るぎない自信を持つ。「與那覇とは小学校からずっとライバルとしてやってきた。この大会が最後。絶対決勝で対戦したい」と気合十分だ。

 與那覇は168キロ、79キロ。「1年生の時よりも体重は10キロ増えた」と言うが玉城との体重差は36キロある。立ち合いから積極的に当たって攻め、懐に入る俊敏性を生かした取り口で勝利を重ねてきた。左前みつ、右前みつからの展開が得意だ。「中学、高校と玉城には勝ち星がない」と小学生以来の“打倒玉城”を狙う。

 與那覇は港川中時代、野球にも励んでいた。当時の港川中相撲部の幸地銀治監督から「全国でベスト4に入ったら競技を続けなさいと言われ、思わず“はい”と言ってしまった」と笑う。2018年8月の全国選手権で軽量級全国2位に輝き、中部農林に進み相撲を続けることを選んだ。

 小学生時代から2人を知る副顧問の和宇慶忠勝教諭は、2人の決勝対決の実現を人一倍楽しみにしている。「玉城は負けん気が強い。小学生の頃から今みたいな風格があった。スケールの大きな相撲を取ることができる。與那覇は腹に闘志を秘めるタイプで、しぶとい相撲が持ち味。パワーも付けている」と少年時代の面影を重ねて勝負を見守る。

 (大城三太)