我慢、不安、不満、疑問…緊急事態宣言から1週間の沖縄県内


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歩く人もまばらな平和通り=29日、那覇市

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、沖縄県に4度目の緊急事態宣言が出されて1週間が過ぎようとしている。大型連休中はにぎわいを取り戻していた那覇市の商店街では29日、人通りが少なかった。県内各地では、感染リスクを避けて野外で子どもを遊ばせる人たちの姿があった。不要不急の外出自粛が求められ、地域活動が長く制限されることに不満の声も上がった。

 那覇市の第一牧志公設市場の周辺では、出歩く人はほとんどいなかった。同市場で鮮魚店を営む女性(65)は「ゴールデンウイークは少し客足が戻ったけど、またこんなだよ」とがらんとした市場内を見渡した。緊急事態宣言に「感染拡大を抑えるためには仕方がない。我慢してコロナの収束を待つしかない」と話した。

潮干狩りなどをして休日を楽しむ家族連れ=29日、読谷村の渡具知ビーチ

 市場中央通りも人が減ったが、昨年の宣言時に比べると開いている店が多いという。古書店を営む宇田智子さん(41)は「不安もあるけど休んだら一銭も入らない」と複雑な思いを明かす。「支援策は申請方法が難しい。国民一律の給付があると助かる」と述べた。

 読谷村の渡具知ビーチでは潮干狩りをする家族連れや海を眺めるカップルの姿があった。孫と潮干狩りに来た50代女性=沖縄市=は「人が多いところには遊びに行けないので海に来た」と説明。宣言発令後に1週間、孫が通う保育園が休園したといい「小さい子を抱えている親はどうしているのだろう」と案じた。

 名護市古我知区の宮城研二区長(33)は地域の行事が長く開催できていないことに不安を感じている。若者が集まる数少ない機会だった、北部地区の球技大会も緊急事態宣言で一部の中止が決まった。「顔を合わせる機会が減り、区民の心が地域から離れるんじゃないか」と心配する。「国民に我慢を強いながら東京五輪を開くのはおかしい。素直に応援する気になれない」と疑問を投げ掛けた。