ハンドボール女子、那覇西がV 男子は興南が17連覇 県高校総体


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 県高校総合体育大会最終日は1日、各地で行われ、ハンドボール男子は興南が17連覇で33度目の優勝、女子は那覇西が2年ぶり11度目の栄冠をつかんだ。

那覇西―コザ 前半、ロングシュートを決める那覇西の砂川茉穂(奥)=1日、豊見城市民体育館(又吉康秀撮影)

 前半13分。「みんなごめん」。2枚目のイエローカードで一時退場になった那覇西の砂川茉穂はそう言って下がった。堅守速攻のチームの要として、得点を許さないことを意識するあまりのペナルティー。それをよく知る仲間たちは、数的劣勢にも受けに回るどころか積極的に攻め続けた。その姿にベンチの砂川は「勝てる」と思った。堅い守備で相手の攻撃をしのぎ、素早い攻撃から得点を重ね、2年ぶりの栄冠を手にした。

 相手は2年生を主体とした新進気鋭のコザ。那覇西の金城望子主将は「勢いあるチームだけど、練習でやってきたことを発揮できれば勝てる」と冷静に試合を進めた。

 後半開始早々、コザの猛攻を受けるが、シュートを防いだGK比嘉楓から縦一本のパスが通って加点。後半14分には最大17点の差を付け、相手を寄せ付けない強さを発揮した。

 比嘉律監督は「全国制覇に向けて、持ち味の守備に磨きを掛けたい。選手たちはよくやってくれた」と目を細めた。砂川は試合後、「退場もあったけど、守備へのこだわりは貫きたい。攻守共にレベルアップして全国に挑みたい」と笑顔を見せた。

 (名嘉一心)


主力5人欠く窮地 興南、地力見せる
 

興南―那覇西 後半、シュートを決める興南の親泊寛粋(2)

 興南が地力の差を見せつけた。3回戦以降、主力5人が新型コロナの濃厚接触者として離脱。「どうなるか分からなかった」との黒島宣昭監督の予想通り、序盤は点の取り合いが続き、リードを許す場面もあった。

 打倒・絶対王者に燃える那覇西に勢いがあったが、静かに逆転の機会を待った。口火を切ったのは安里健伸。中央の親泊寛粋から右サイドでパスを受けると、ゴール右隅にシュート。これで同点とすると、直後に7メートルスローを獲得し、根間光裕寿(みゆと)が冷静に決めた。以降は優位に進めた。

 同点ゴールをお膳立てした親泊は「出場できなかった選手のためにも勝ちたかった。全国では県大会の経験を生かして優勝したい」と涙を流した。 県高校総合体育大会最終日は1日、各地で行われ、ハンドボール男子は興南が17連覇で33度目の優勝、女子は那覇西が2年ぶり11度目の栄冠をつかんだ。