新振興計画の素案 「サコワ」文言は削除も県と日米協議「必要」


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 県は2022年度からの新たな振興計画の素案で、基地負担軽減の手法に「日米両政府に沖縄県を加えた新たな協議の場の設置等が必要」と示した。1月に公表した骨子案で盛り込まれていた「SACWO(サコワ)」の文言は削除した。玉城デニー知事は1日の会見で「計画期間が10年であることから、固有名詞を使わずに『協議の場が必要』とまとめた」と説明した。 

 「サコワ」は、玉城知事が19年3月の安倍晋三首相(当時)との会談などで提案してきた。1995年の少女乱暴事件を期に日米両政府が設置した「沖縄に関する特別行動委員会」(SACO)の語尾に「with Okinawa(沖縄と一緒に)」を加えた枠組み。

 96年12月のSACO最終報告では、米軍普天間飛行場を含む11施設・5002ヘクタールの返還が合意されたが、普天間の県内移設が打ち出された。「サコワ」はSACO合意以降の基地整理縮小の検討や、さらなる負担軽減を目的にしていた。

 日米両政府との協議の場について、骨子案では「強く求める」としていたが、素案では「必要である」という表現とどめた。玉城知事は「より多くの国民の理解を得るため」と説明した。

 普天間移設に伴い、両政府は名護市辺野古での新基地建設を進めている。県は素案で、同飛行場の早期閉鎖・返還実現のため「県外・国外移設を追求し、速やかな運用停止および固定化を避ける方策の検討が必要」と強調した。