県新型コロナウイルス対策本部は、10代で急増している感染者を押さえ込むため、保護者や教職員による検体採取と検査機関への持ち込みを始めた。医療関係者は「感染者の早期発見につながる」と期待する一方、学校関係者は「感染しそうで怖い」「全く知らされていない」と不安を漏らした。
「検体を扱うなんて全く聞いていない。急に言われても、どう対応したらいいのか分からない」。本島中部の小学校に勤務する女性教員(36)は驚きを隠せなかった。「保護者や教職員が検体を採取しなければならないほど緊急事態であることは分かるし、協力もする。でも詳しい方法を知らされないまま、対応できる自信がない。担任する40人近い児童の検体を扱う可能性があると考えたらとても怖い」と頭を抱えた。
那覇市にある高校の40代の男性教員は「当然協力するが、本音を言うとやりたくない。家族を心配させてしまう」とため息をついた。「詳しい説明を受ければ不安は解消されるだろう。現場がパニックに陥らないために、一日でも早く必要な説明をしてほしい」と話した。
本島南部の会社員の女性(38)は「すぐに検査できるようになってよかった」と安堵(あんど)した。小学3年生の娘が通う学校で感染者が出た。自宅には基礎疾患のある義母がいる。「もし娘が感染したら、義母は重症化する可能性が高い。すぐに検査できるのはとても安心できる」と話した。一方で「高校教師の夫は検体を扱うことを知らなかった。検査キットの説明書を読んだだけで、本当に対応できるのか」と不安も口にした。