那覇市内の保育施設で集団感染相次ぐ コロナ対策徹底も状況緊迫


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 那覇市内の認定こども園や認可保育園などの就学前教育保育施設で、クラスター(感染者集団)の発生が相次いでいる。緊急事態宣言を受け、市は保護者に登園自粛や健康管理の徹底、外出自粛などを求めている。あるこども園園長は「園に感染が持ち込まれないよう、健康管理や換気を徹底するしかない」と緊迫した状況を語った。

 0~6歳児120人ほどが通い、職員約40人が勤務する。感染拡大防止のため、園内の窓やドアは全開にし、各部屋には空気清浄機や換気機器を設置するなど換気に努める。登園時など、手洗い、うがいをこまめにする。一方、園児らが距離を保って過ごすのは難しい面もある。食事中の園児たち同士の会話が少しでも減るように、音楽を流すなどリスク回避へ模索も続く。

 緊急事態宣言の発令で、市は5月24日から登園自粛を呼び掛けたが、協力を得られたのは2~3人。園長は「仕事のある多くの保護者にとって登園自粛は難しいのだろう」と推測した。

 沖縄県は3日、県立学校を7日から約2週間休校すると発表した。保育所に関しては、医療従事者など仕事を休むことが困難な人を除き、家庭保育や登園自粛の依頼、臨時休園などの対応検討を市町村に依頼する。休校となる地域の放課後児童クラブを午前中開所する検討も併せて要請する。園長は「働く保護者のため、園を開ける必要があると思う。だが、職員や園児へのリスクを考えると閉めた方がいいのか」と心境は複雑だ。

 市が3日に発表した市認可保育所のクラスターでは、同日午後5時時点で職員と園児各4人の感染が確認された。就学前教育保育施設のクラスター4例は5月29日から1日までの4日間で発生した。