凸版印刷、うるまにDXとワーケーション拠点 県内学生の採用も


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凸版印刷が開設したデジタルトランスフォーメーションに関するシステム開発拠点「ICT KOBO URUMA」=うるま市州崎

 印刷業大手の凸版印刷(東京)は8日までに、システム開発拠点「ICT KOBO URUMA(アイシーティーコーボー・ウルマ)」をうるま市の沖縄IT津梁パーク内に開設した。デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の拠点として、同社の進める開発業務の一部を担うほか、将来的にはIT津梁パークに入居する企業との共同事業も視野に入れている。

 凸版印刷はDXを成長戦略と位置付け、企業の業務効率化などにつながるデジタル化を支援するサービスを展開している。「ウルマ」はDX事業の核となるシステム開発部門の体制強化に向けた拠点となるほか、沖縄の地理的優位性を踏まえ、アジア市場に向けたデジタルビジネスを推進させることにしている。

 現在社員4人が勤務しているが、事業の拡充と同時にUターン、Iターン希望者や県内学生の採用を進め、2025年までに50人規模の体制を目指す。

 150平方メートルの敷地内は、リゾート地沖縄を意識した開放感ある環境を整備しており、休暇を取りながら働く「ワーケーション」の拠点としての活用も想定しているという。

 「ウルマ」に先駆け、昨年4月に長野県飯綱町に開設した「ICT KOBO IIZUNA(イイヅナ)」では、大阪府のイベント会場と特産のリンゴ園をつないだ「バーチャルりんご狩り」の実施など、地域活性化にも取り組む。

 凸版印刷が5月に発表した中期経営計画では、26年3月期にDX関連事業で営業利益の30%を目標に掲げる。

 同社は「沖縄で何ができるかを模索しながら、地方創生や地域貢献に取り組みたい」と意欲を示した。