JAおきなわ(普天間朝重理事長)は10日、2021年3月期の決算を発表した。新型コロナウイルスの影響やマイナス金利による利息収入の低下などで、企業の粗利益に当たる事業総利益は前期比1.5%減の180億3千万円だった。
事業総利益から人件費などの事業管理費を差し引いた事業利益は前期比6億2300万円増の3億8700万円となった。前期は11年ぶりの損失を計上していたが、コロナ禍に伴うイベント中止などによる経費削減や人件費の圧縮で事業管理費を前期比4.9%減の176億4300万円に抑え、黒字化した。
企業の売上高に当たる事業収益は前期比6.1%減の766億8400万円、経常利益は同87.8%増の17億7700万円、純利益に当たる当期剰余金は同12.3%減の5億3300万円だった。店舗統廃合を実施した施設などの減損損失や、コロナ支援対策費用を計上したことで当期剰余金は減少となった。
事業総利益を部門別で見ると、信用事業は同0.7%減の71億9600万円と微減。特別定額給付金の振替業務にかかる手数料など一過性の信用雑収益増があったものの、農林中央金庫から預金利息として還元される「奨励金率」が0.05%引き下げられた。
共済事業は同4.1%減の35億2700万円で、自動車共済が伸びたものの、推進体制見直しによる共済付加収入などが減少した。
経済事業は同1.8%減の74億600万円となった。農業事業全体では前年並みだったが、コロナ禍で葬祭事業など生活事業が大幅に落ち込んだ。