県平和祈念資料館は11日、慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式で朗読される「平和の詩」に、宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さんの作品「みるく世の謳」を選出したと発表した。追悼式パンフレットに掲載する図画は中城村立中城中学校2年の仲栄真花さんの作品「受け継ぐ想い」を、作文は県立首里高校2年の重田真妃さんの作品「私たちに託されたもの」を選んだ。
各作品は県内の小中学生から募集した第31回「児童・生徒の平和メッセージ」で最優秀賞を獲得した。
上原さんの詩「みるく世の謳」は、沖縄の空や風、土が覚えている沖縄戦の記憶に思いをはせた。凄惨な沖縄戦の後、平和を願って尊い命のバトンをつなぎ続ける決意を示し「みるく世を創るのはここにいるわたし達だ」と締めくくった。
仲栄真さんの絵画は、追悼の折り鶴を通し、戦争を2度と起こしてはいけないという思いを祖母が孫に伝える様子を描いた。
重田さんの作文は、ひめゆり学徒だった隣のおばあさんや、自身の祖父の沖縄戦体験を聞き、感じたことをつづった。体験者が亡くなり、語り継ぐ使命を強く意識し「『平和』とは願うものではなく、自分たちが日々守り育てていくもの」と書いた。