コアなファン多い泡盛「白百合」の新作 国際品評会で最高評価!


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 【石垣】4月にアメリカで開かれた世界的な蒸留酒品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)2021」で、泡盛「白百合」を造る池原酒造(石垣市)の新作「白百合イヌイ」が、タイ米焼酎クラスのトップとなるベストオブクラス賞を受賞した。またコンペでは「焼酎」として振り分けられ、焼酎各部門を通じての最高評価、ベスト焼酎にも選ばれた。泡盛では初の快挙といい、池原優社長(33)は「泡盛の可能性を広めたい」と話している。

サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2021で高い評価を得た「白百合イヌイ」を手に持つ池原酒造の池原優社長=5月29日、石垣市

 白百合イヌイは蒸された米の香りが凝縮され、辛口ながら、口の中で徐々にまろやかに変化する味わいに仕上がった。

 SFWSCは、2000年に始まった。テキーラやウイスキーなど世界の蒸留酒がクラスに分けられ、審査員が金賞、銀賞、銅賞を選出する。審査員全員から金賞評価を得ると最優秀金賞(ダブルゴールド)となる。白百合イヌイはダブルゴールドにも選ばれた。

 元々、白百合は個性的なくせが特徴で、コアなファンを持つ銘柄だった。池原社長はこの個性を磨くため、使用する黒麹の種類を、戦前の泡盛製造で使われながらも、現在ではほとんど使われていないイヌイ菌に変え、昔ながらの味わいを求めた。

 池原社長は「世界のバーテンダーが泡盛に注目し始めている。泡盛というジャンルを世界に広めていきたい」と語った。14日以降、県内の小売店で販売予定。720ミリリットル入りで税込み4290円。