沖縄・旧海軍司令部壕で慰霊祭 コロナで規模縮小 20年の見学者は激減


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
旧海軍司令部壕慰霊祭で慰霊碑の前で手を合わせる関係者ら=豊見城市の海軍壕公園

 沖縄戦で日本海軍の司令部が置かれた沖縄県豊見城市の海軍壕公園で13日、51回目となる「旧海軍司令部壕慰霊祭」があった。新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ昨年に続いて遺族の参加を見送り、関係者ら約20人が戦没者に手を合わせ、平和への誓いを新たにした。動画投稿サイト「ユーチューブ」でもライブ配信した。

 13日は、沖縄に配備された日本海軍の司令官で「沖縄県民斯ク戦ヘリ」の電報で知られる大田実少将が自決した日。例年は大田少将の遺族も含め約140人が参列している。

 司令部壕は1944年に掘られ、同年12月から45年6月まで使われた。戦後、遺骨収集をへて整備され、70年から一般公開されている。修学旅行や平和学習でも多くの人が訪れてきたが、新型コロナの影響で見学者は激減。2020年は約3万3千人と19年(約12万8千人)の約4分の1に落ち込み、運営は厳しくなっている。

 13日の慰霊祭で、施設を管理する沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「平和を語り継ぐ上で厳しい状況下にあるが、戦争の悲惨さやおろかさについて絶え間なく伝えることが大事だ」と述べ、オンラインを活用した平和発信にも取り組むと話した。

 旧海軍司令部壕はコロナ感染拡大を踏まえ、20日まで臨時休館となっている。