ひめゆり資料館支援へ 中城村が無料券配布検討


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ひめゆり平和祈念資料館=糸満市

 【中城】中城村は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で入館者数が激減しているひめゆり平和祈念資料館(糸満市)の親子ペア券を、村内の小中学生とその保護者へ無料で配布する。14日の村議会で、比嘉良治教育長は「実施の方向で検討する」と述べた。比嘉麻乃議員への答弁。

 資料館によると、市町村の入館券の配布は県内初の取り組み。村は夏休み前までのペア券配布を目指しているが「予算調整が必要」と説明している。対象は村内の小中学生1918人(4月時点)とその保護者1人ずつ。予算額は約107万円を見込む。平和学習と資料館支援が目的。

 浜田京介村長は、村議会で「県全体に支援の輪がどんどん広がっていけばいいなと思う。中城からしっかり発信していきたい」と語った。

 資料館の普天間朝佳館長は「比嘉議員が具体的な提案をしてくれて、とてもうれしい。実施が決まれば浜田村長にもお礼しに行きたい」と感謝した。

 資料館の入館者数は2019年度49万1345人。新型コロナの影響で、20年度は19年度に比べ86%減少し、6万6532人となった。ツイッターで「経営上の危機」と窮状を訴えたところ、この投稿が拡散。その後、多くの寄付金が寄せられている。