【記者解説】緊急事態「出口」は?求められる具体策、官民の連携


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県民にワクチン接種の加速を呼びかける玉城デニー知事=16日夜、県庁(代表撮影)

 県が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「緊急事態宣言」の延長要請に踏み切った背景には、病床占有率などが高止まりし、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が解消されていない現状への危機感がある。沖縄が宣言下に入って1カ月近くが経過し、新規感染者数は減少傾向にあるが、国の警戒レベル指標に当てはめると、4つの項目でステージ4(爆発的感染拡大)の状況が続く。県は2週間の延長によって、医療面の数値の改善を目指す考えだ。

 7月後半からは夏休みシーズンを迎え、観光需要の高まりも予想される。県は夏場の感染拡大を避けるために宣言延長で歯止めを掛けたい構えだが、沖縄は観光客などの人流増加があった後に、感染者数が爆発的に増える、という連鎖が何度も繰り返されている。延長される期間中に、出発地でのPCR検査の徹底を航空事業者に求めるなど、官民が連携した対策の構築も急務だ。

 玉城デニー知事は16日の記者会見で「とにかくこの2週間でしっかりと抑え込んでいく」と強調し、ワクチン接種の加速化に向けた計画策定に着手する考えを示した。ただ、宣言解除が可能となる詳細な数値目標は示さなかった。

 5月21日の宣言入りから考えると、県民が行動抑制される期間は40日以上続くことになり、我慢は限界に近づいている。玉城知事は解除に向けた「出口」を県民に分かりやすく提示し、さらに具体的な施策の展開を打ち出すことが求められている。

 (池田哲平)