政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う沖縄県の緊急事態宣言について延長する方針を固めた。これに伴い、酒類提供店舗への休業要請、飲食店の午後8時までの営業時間短縮要請が継続される。飲食店は落胆の声を上げた。
那覇市久茂地にある居酒屋「七福神」の照屋雅之代表は肩を落とす。これまで、県による感染防止対策や時短要請に従い、営業を続けてきたが、5月23日の宣言以降は休業を続けている。営業再開は20日を予定していたが、宣言が延長されれば、休業を続けるという。照屋代表は「酒類を提供できなければ、来客は見込めない。夏は観光客の来店も期待していたが、当分は様子を見たい」と話した。
同市泉崎の串焼きやだしカレーの店「まかと」は時短営業でどうにか耐えている。与儀守清代表は同店に母親などのアルバイトが多いとして「雇用を守りたいという思いで続けている」と思いの内を語った。
一方で、2019年度と比べると、売り上げは7割減の状況で「夜の営業と酒類提供ができない状態では厳しい」と話した。新たな販路を模索し、9日からは店頭に小型の冷蔵庫を設置し無人のカレー販売を始めた。真空パックの野菜やご飯も並ぶ。売れ行きは好調で、今後に期待している。
与儀代表は「早く自由に飲食を楽しめる社会になってほしいが、工夫してコロナ禍を乗り切りたい」と思いを込めた。