米軍汚染水流出、沖縄県が外務省事務所に抗議 基地内の水質調査要請


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外務省沖縄事務所の官澤治郎副所長(右)に抗議文を手渡す県の溜政仁基地対策統括監=17日、同事務所

 米陸軍貯油施設(沖縄県うるま市など)から有機フッ素化合物を含むとみられる汚染水が流出した事故を受け、県の溜政仁基地対策統括監は17日午後、那覇市の外務省沖縄事務所を訪れて抗議した。基地内の貯水槽から採水するため、基地内立ち入り調査をしたい意向を伝え、米軍に許可を働き掛けるよう求めた。

 県は通報を受けた翌12日に国や市と基地内に入って事故の概要について説明を受けているが、さらに立ち入り調査が必要だと判断した。流出した水に有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)が含まれていたとみられている。

 外務省沖縄事務所の官澤治郎副所長は立ち入り調査について「県から要請があったことは東京に伝えたい」と答えた。

 溜統括監は、流出発覚の丸1日以上たってからの通報がだったことについて「危機管理の観点から通報体制は不十分だ」と指摘し、通報遅れも含めた再発防止を要求した。他の基地でもPFOSなどを含む消火剤や汚染水が残っている可能性を指摘し「今回の件を機に在沖米軍基地での保管状況を速やかに把握して撤去に取り組んでほしい」と求めた。

 官澤副所長は「日米政府間でより環境に優しい泡消火剤への交換に向けて真剣に協議する中でこういう事案が起きたことは大変残念だ。二度と起きないよう気を引き締めて働き掛けていきたい」と語った。通報遅れについては外務省からも抗議したと説明した。

 溜統括監は午後4時から防衛局を訪れて抗議する。