沖縄知事「家庭や職場で黙とうを」 慰霊の日メッセージ


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玉城デニー知事

 「慰霊の日」を迎えるに当たり、全戦没者のみ霊に対し、謹んで哀悼の誠をささげる。

 沖縄は、先の大戦において、一般住民をも巻き込んだ激しい地上戦の場となり、多くのかけがえのない尊い生命とともに、美しい自然や貴重な文化遺産を失った。終戦から76年もの月日が流れたが、今なお、その傷痕は癒えることなく、最愛の家族や友人たちなど戦争で犠牲になられた方々のみ霊に対する哀悼の念は、一層深まるばかりだ。

 私たちは、沖縄戦を通して、戦争の悲惨さと平和の尊さを学んだ。この教訓を決して風化させることなく、戦争を知らない世代へ正しく伝えるとともに、平和を願う沖縄のこころを世界に発信し続けることで、不戦の誓いを新たにし、平和な社会を築きあげることが、私たちに課された大きな責務であり、使命だ。

 「慰霊の日」は、この冷厳な歴史を厳粛に受け止め、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久平和を希求するとともに、戦没者の霊を慰める日として定められている。県民の皆さまには、御家族や御友人と共に戦没者を追悼し、平和を誓う日としていただきたいと思う。

 本日は、沖縄県の主催により午前11時50分から糸満市摩文仁の平和祈念公園において「沖縄全戦没者追悼式」を開催する。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県民の皆さまの参列を控えていただくが、それぞれの家庭や職場において、正午の時報に合わせて戦没された方々のみ霊に1分間の黙とうをささげるようお願いする。