新型コロナウイルスの影響で、各地の慰霊祭は規模縮小や中止など形を変えた。白梅学徒隊として戦地に動員された県立第二高等女学校の学徒らを追悼する「白梅之塔」(糸満市真栄里)の慰霊祭では23日、昨年よりも規模を縮小し、自主参加となった。報道陣も代表取材に限られた。参列できない人に代わり、運営団体が花やメッセージを手向けるなど、新たな方法を模索した。
午前10時、慰霊祭の運営に携わる「若梅会」メンバーらが、慰霊祭への準備を始めた。手に持つのはひまわりやユリなどの花112本。県内外から寄せられたメッセージを添え、追悼を代行する新たな試みだ。
白梅同窓会の中山きく会長(92)は「同窓会の活動が途絶えても、慰霊祭と学徒の体験を伝え続けたい。若梅会が思いを継いだことに感謝したい」と次世代継承の重要性を語った。
慰霊祭の様子はSNSを使って動画配信もした。若梅会代表の、いのうえちずさん(52)は「学徒隊や沖縄戦を知ってもらうため、いろんな角度からアプローチを続けたい」と語った。