慰霊の日 菅義偉首相メッセージ要旨 基地負担軽減、結果出す


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沖縄全戦没者追悼式に寄せられた菅義偉首相のビデオメッセージ

 23日に開催された沖縄全戦没者追悼式へ寄せた菅義偉首相のメッセージ要旨は次の通り。

 先の大戦において、沖縄は凄惨(せいさん)な地上戦の場となり、罪もない民間人を含め、20万人もの尊い命が失われた。平和の礎に刻まれた方々の無念、残された方々の言葉では言い尽くせないほどの悲しみと苦しみ、沖縄が負った癒えることのない深い傷を、今を生きる私たちは、深く心に刻み、決して忘れてはならない。

 沖縄の方々には、永きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている。この現状は、何としても変えていかなければならない。この思いを胸に、私は、これまで多くの沖縄の方々と直接会い、基地負担について率直な気持ちを伺い、沖縄のため具体的な成果をあげるべく、全力を尽くしてきた。

 2016年には、北部訓練場の過半の返還が実現した。2018年に引き渡しがなされた西普天間住宅地区跡地は、跡地利用の先行事例として、高度な医療・研究機能の拡充や地域医療の向上を目指した健康医療拠点の整備が進んでいる。引き続き、「できることはすべて行う」との方針の下、沖縄の基地負担の軽減に向け、一つ一つ、確実に結果を出していく決意だ。

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、政府としては、感染防止とワクチン接種を徹底して行っている。沖縄が、この困難を乗り越え、昨年完成した那覇空港第二滑走路や、7月末に全面開通することとなった名護東道路なども活用し、21世紀の「万国津梁」として世界の架け橋となるよう、私が先頭に立って、沖縄の振興を進めていく。来年5月に沖縄の本土復帰50年の大きな節目を迎える。沖縄のさらなる発展に向け、現沖縄振興特別措置法期限後の沖縄振興の在り方について、しっかりと検討を進めていく。