北部テーマパーク 環境・交通で質疑 今帰仁で住民説明会


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北部テーマパーク事業の環境影響評価準備書について説明する住民向けの説明会=22日、今帰仁村の湧川公民館

 【今帰仁】今帰仁村と名護市にまたがる「オリオン嵐山ゴルフ倶楽部」で計画されている北部テーマパーク事業で、事業を計画するジャパンエンターテイメント(名護市)は22日、住民向け説明会を今帰仁村の湧川公民館で開いた。環境影響評価(アセスメント)の準備書について説明した。一部の住民から「地域の浄水に影響はないか」「交通量が増えて仕事に影響が出ないか」など不安の声もあった。導入するアトラクションの説明はなかった。

 ジャパン社は準備書の作成に当たり、工事中は敷地内の沢手前に濁水処理施設を整備すること、最も高い位置にある施設を低い場所に移動することなど、主に7項目の変更点を示した。県環境科学センター環境科学部の山本拓良参事は建設作業で発生する騒音は85デシベルの基準を上回らず、赤土などによる水の濁りも大きな問題はないと強調した。

 資機材を運搬する車両の往来は1日(8時間)、中山の県道84号沿いと村道で272台、伊豆味で124台発生する。村内でパインを栽培する男性は「道幅が狭い場所もあり、交通量が増えて通れなくなるなど、仕事に影響が出ないか心配だ」と訴えた。ジャパン社の佐藤大介取締役は「現在協議しており、混雑して迷惑が掛からないよう調整したい」と述べた。

 準備書は名護市役所や本部町、今帰仁村役場など10カ所で縦覧できる。住民の意見聴取などを経て、2022年度初旬までに評価書作成を目指す。