路線価、沖縄の上昇率1.6%、前年より大幅縮小8.9ポイント減


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
2021年1月1日現在の路線価で、県内最高となった那覇市久茂地3丁目、国際通り周辺=6月30日

 沖縄国税事務所は1日、2021年1月1日現在の県内路線価(1平方メートル当たり)を発表した。標準宅地の評価基準額は、対前年変動率の平均値が1・6%と7年連続で前年を上回ったものの、上昇率は全国2位と4年ぶりに首位から転落した。前年の上昇率との差はマイナス8・9ポイントで、下落幅は全国最大となった。好調な観光需要を背景に土地価格は上昇基調だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で旅行者が激減したことで、大きな影響を受けた。

 県内の最高路線価は那覇市久茂地3丁目の国際通りで、1平方メートル当たりでは143万円だった。県内では20年連続で1位を維持したものの、対前年変動率はマイナス1・4%(2万円減)となり9年ぶりに下落した。前年の上昇率と今回の下落率との差もマイナス42・2ポイントで、全国でも大阪府北区角田町・御堂筋の43・5ポイントに次ぐ下落幅だった。

 沖縄国税事務所が管轄する6税務署別の最高路線価では、沖縄が上昇し宮古島と名護が横ばい、那覇と北那覇と石垣が下落した。

 沖縄都市モノレール各駅前の路線価は、評価の対象となる16駅の内10駅が横ばいとなり、6駅が下落している。

 路線価は相続税や贈与税を計算する基準となり、1月1日時点の公示地価の8割程度に設定している。国税庁は、新型コロナの影響で地価が大幅に下落した場合、減額修正(補正)を検討する。