オリオンビール 突然の社長退任に沖縄経済界も驚き 早瀬氏の改革に評価高く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
オリオンビール本社=豊見城市豊崎

 オリオンビールの早瀬京鋳氏の社長退任発表を受け、県内の経済関係者も驚きを隠さなかった。

 県工業連合会の古波津昇会長は、早瀬氏が沖縄の製造企業として前例踏襲にとらわれず、次々と新商品を提案し、新たな顧客層の開拓に積極的に取り組んだと評価した上で「2年での退任は残念だ」と語った。

 「沖縄の産業まつり」でもオリオンビールはなくてはならないメイン企業だと強調し、「社長が交代しても従来通り協力してもらいたい」と望んだ。

 沖縄復帰特別措置法に基づく酒税軽減措置の行方を不安視する声もある。県酒造組合組合の佐久本学会長は「早瀬氏は県酒類製造業連絡協議会の専務も務めていた。退任が酒税軽減措置の延長議論に影響を与えないか」と語った。

 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は、外部から起用された早瀬氏について「就任当初はさまざまな反応があった。従来の体制体質が大きく変わり、戸惑う社員もいたかもしれない」と振り返る。ただ、伊江島産大麦を使った新商品など「地元に密着したものづくりで、オリオンを沖縄の観光資源の一つに押し上げた」と評価した。