沖縄県、クラスター公表遅れを謝罪 病院事業局長「認識の齟齬」 新たに公表基準を作成


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 沖縄県うるま市の県立中部病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生の公表が遅れた問題で、県病院事業局の我那覇仁局長や同院の玉城和光院長らが2日、県庁で記者会見を開いた。玉城院長が1日、県病院事業局の指示でクラスター発生に関する記者会見が取りやめになったと説明したことについて、我那覇局長は「認識の齟齬(そご)があった。コミュニケーションが十分でなく、双方で共通認識が持てていなかったことが大きな原因だ」と述べた。

 2日の記者会見冒頭、我那覇局長は「県民や関係各位に多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げる」と謝罪。同日、県内の県立病院長でつくる病院長会議を開催し、院内感染発生時の公表基準を作成したと説明した。基準に従い、今後は病院内で感染者5人以上のクラスターが確認された場合には、県保健医療部のブリーフィングで病院名や感染者数などを説明し、病院のホームページでも公表するとした。

 会見に同席した玉城院長は、県側との認識の齟齬が解消されたとの見方を示し、公表基準が定まったことについて「病院側としては、感染が大きくなる前に公表できる体制なら、今後のことを考えて一番いいと思い納得した」と述べた。

 中部病院では5月24日に最初の感染者が確認され、6月17日までに患者と職員計51人が感染。そのうち、7月1日までに17人が亡くなった。玉城院長は1日午後の記者会見で、感染が拡大していた6月11日に会見し公表する準備を進めていたが、病院事業局側の指示で取りやめになったとの見解を表明。病院事業局側は1日夜、「会見をやめさせる意図はなく、コミュニケーションに齟齬があった」と会見中止の指示を否定していた。