観光施設の琉球村(恩納村)が学校や企業などの団体を対象に実施している「琉球村オンラインツアー」が好評だ。琉球村の職員がビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」で施設内の古民家や建造物を案内するほか、方言講座の実施や沖縄芸能なども披露する。9月まで毎週末の予約が入っており、沖縄に行きたいが行けない団体客に需要が高いという。オンラインによる下見体験として、新型コロナウイルス収束後の来園誘客も狙う。
新型コロナの影響で来県する観光客が激減し、県内の観光施設は臨時休業などの対応を余儀なくされてきた。修学旅行や団体旅行を中心にキャンセルが相次ぐ苦境の中で、琉球村はオンラインでの施設案内を企画。今年3月からツアー商品を発売し、これまでに延べ千人が参加した。
ツアーは1回で最大30人が参加でき、参加者の要望によって内容が変わる。事前にシーサーキットや泡盛、沖縄の土産などを輸送し、遠隔でも沖縄を体感できるオプションを組み合わせる。
琉球村営業部の仲宗根美佐子課長は「新型コロナはなかなか収束しないので、沖縄に来たい県外客のために企画した。県内の観光施設においても珍しい取り組みだ」と説明する。
一方、オンラインでのツアー実施に課題もある。1回のツアー案内に最低3人の職員配置が必要で、整った通信環境も求められる。
仲宗根課長は「配信画面に向かって職員がしゃべりっぱなしなのは、意外に大変だ」と述べる。それでも「オンラインツアーの開催で参加者が琉球村のファンになってもらえる」と、コロナ下でも交流の拡大に期待する。
(呉俐君)