夏の甲子園出場を懸けた、第103回全国高校野球選手権沖縄大会が3日、開幕する。65校61チームが、沖縄の頂点を目指し熱闘を繰り広げる。3年間の集大成となる舞台に持てる力の全てをぶつける選手や、先輩たちの思いを継ぎ優勝を目指す選手、出場できずともチームを懸命に支える選手などを紹介する。
辺土名ただ一人の野球部員、比嘉銀二は高校最後の夏、開邦・真和志・陽明との連合チームで出場する。特に開邦メンバーとは、1年秋の大会から連合を組み“チームメート”として連係プレーを磨いてきた。一戦必勝を掲げ「このメンバーで全力でプレーする」と勝利を誓う。
「いけるよ、ナイスキャッチ」。27日、合同練習が行われた真和志高体育館には、威勢のいい声が響き渡った。4校そろっての練習は毎週末のみ。それでも、比嘉は「ノック練習もできるし、仲間と話すこともできるから楽しい」と表情を緩める。平日はバッティングなど、一人でできる練習に限られる。大人数での練習は「全部楽しい。今は誰にも負ける気がしない」と自信をみなぎらせる。
1年から連合チームを組む開邦の平田吹輝主将は「一人でも毎日こつこつと(練習を)頑張っていてすごいと思う」と語る。練習中は、笑顔で会話をかわす場面もあり、気心知れた仲間との出場に意欲をみせる。
辺土名の中村敦監督は、比嘉の活躍が同高の未来を握っていると語る。全校生徒は100人を切り、部活生も少ない。野球部員は比嘉のみだが「人数が少なくても連合チームで(大会に)参加できる。さらに人数が増えれば、単独での出場も夢じゃない」と比嘉の姿が後輩たちの刺激になればと期待を寄せている。