クーガ芋から機能性成分 沖縄テレビ開発がサプリや栄養補助スナックに商品化へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
クーガ芋の濃縮粉末をアピールする(右から)沖縄テレビ開発の大田直也社長、立命館大学スポーツ健康科学部の家光素行教授、沖縄テレビ開発の新里一樹営業企画部長、クーガ芋農家の松田栄氏、高良和夫氏=6月30日、県庁

 沖縄テレビ開発は6月30日、クーガ芋(和名・トゲドコロ)に含まれる機能性成分「ジオスゲニン」を濃縮して粉末化する方法を開発し、商品化に取り組むと発表した。2022年春ごろには、サプリメントや栄養補助スナックなどにして販売を始める。

 クーガ芋にはジオスゲニンが豊富に含まれ、高血糖や筋機能の改善が期待されている。ジオスゲニンは、筋力の増強などに関わり「若返りホルモン」とも呼ばれるDHEAと類似した構造を持つ。加齢とともに減少するDHEAの代わりに摂取することで、機能の低下や生活習慣病の予防や改善が期待される。

 同社はクーガ芋から余分な糖質や粘性物質を除去し、ジオスゲニン量を約5倍に濃縮した粉末化技術を開発し、20年6月に特許を出願した。

 現在流通しているクーガ芋の乾燥粉末は、多糖類が多く含まれ、ジオスゲニンを必要な量摂取しようとすると、糖質が過剰摂取となるという。今回開発した技術で効率的にジオスゲニンを摂取することができる。

 商品化に向けた契約農家は31人、生産規模は年間90トンとなっている。ジオスゲニンの研究に取り組んできた立命館大学と連携し、8月から臨床試験を始め、健康への効果を調査する。

 沖縄テレビ開発の大田直也社長は「長寿県の復活に寄与できればと思う」と話した。この取り組みは21年度県新産業事業化促進事業に採択された。