スキンケアブランド「首里石鹸(せっけん)」などを展開するコーカス(那覇市、緒方教介社長)は、商品の全国流通に向けたサプライチェーン(供給網)の構築に向けた取り組みを始めた。ヤマトグループの物流拠点を活用し、大阪府と那覇市の2カ所で商品の管理や配送を委託する。県内は1日から、県外向けは8月から運用を始める。好調なECサイト販売に加え、今年は県外出店に打って出る計画もある。調達から納品、発送などを一元化することで、業務の効率化や配送時間の短縮などが期待される。
コーカスは、新型コロナ感染症に伴う巣ごもり需要などでECサイトの売り上げが急成長。県外の倉庫で業者に商品管理を委託し、県内の自社倉庫も合わせた2カ所で在庫管理や商品の発送をしていた。ただ、在庫は増やしているのに欠品が出るなど管理に課題が出たという。
課題の解消へコーカスは流通体制を改め、全国に物流拠点や配送ネットワークを築くヤマトグループと契約した。ヤマト運輸の関西拠点と、沖縄ヤマト運輸の物流拠点「サザンゲート」(那覇市)の2カ所で商品在庫の管理を委託する。店舗の在庫やECサイトからの購入情報をオンラインで共有することで、ヤマト側が迅速にEC購入者に商品を発送し、直営店などへの需要に応じた納品を行うことができるようになる。
ヤマトの広報担当者は「サプライチェーンの構築の取り組みは、沖縄ヤマトでは初めて。ECサイトを運営する事業者に適切なサービスを提供することができる」とメリットを強調する。
コーカスの緒方社長は「県内13店舗に加えECサイトの売り上げが好調になると、在庫管理や納品を担当する従業員が多忙でしんどくなっていた」と振り返る。「こうした業務をヤマトに任せることで、従業員もお客様に向き合う時間がより増える。今年は県外5カ所に出店する。県外の物流拠点を活用することで、計画もスムーズに進んでほしい」と話した。