総合格闘技修斗のフライ級チャンピオンシップ(5分5ラウンド)が4日、メルパルクホール大阪で行われ、同級1位で挑戦者の平良達郎(小禄高出―沖縄大4年、ザ・パラエストラ沖縄)が王者の福田龍彌(MIBURO)と対戦し、1ラウンド4分31秒に三角絞めを決めて勝利を収めた。
初めてタイトルを獲得した平良は「格闘技のバックボーンもない中で高校から始めて、育ててくれた(ザ・パラエストラ沖縄会長の)松根さんに感謝したい。沖縄からでも修斗のチャンピオンになれることを証明できて良かった」と喜んだ。
21歳新星、無敗の9連勝 目指す世界最高峰舞台
全くの初心者として格闘技を始めて約6年。21歳の新星が王者を圧倒し、修斗フライ級の頂に登り詰めた。平良達郎はプロデビューの2018年から無敗の9連勝を遂げると、歓喜で目に涙をためながらも威風堂々の勇姿でチャンピオンベルトを手にした。
文句なしに圧倒した。1ラウンド残り約30秒で仕掛けた絞め技。完全に首を決められた福田龍彌はタップするしかなかった。
寝技に持ち込むまでの組み立ても勝利の鍵となった。「相手は打撃が強い」と無理に立ち技に付き合わず「苦手な寝技でスタミナを削る」ことを選択。開始すぐにキックに合わせ懐に飛び込む。追い込んで引き倒し、押さえ込んだ。
寝技で攻防が続き残り1分。福田が応戦しようとした時だった。平良が右足を福田の首にかけて流れるような動きで後方へと反転。下に潜り込んで首を絞める。「勝手に体が動いた。ばっちりのタイミングだった」と練習の成果や努力が完璧な形で表れた。
師匠の松根良太会長が修斗王者になったのと同じ21歳での戴冠。「デビューした年も一緒。運命を感じる。育ててくれて感謝しかない」と感慨深げ。今回の勝利を大きな自信に、総合格闘技で最高峰の「UFC」への挑戦を掲げる。「これからもっと世界で戦っていきたい」とさらなる高みを目指す。
(謝花史哲)