具志川が延長十二回の熱闘制す 沖縄大会2回戦<高校野球2021>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
球陽―具志川 延長12回2死二塁、決勝打となる適時三塁打を放つ具志川の仲本敬登=9日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 第103回全国高校野球選手権沖縄大会第6日は9日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで2回戦2試合を行い、具志川が球陽との延長十二回の末、6―5で競り勝った。10日は2回戦8試合が予定されており、第2シードの興南が北部農林と、第3シードの沖縄尚学が北山と初戦で顔を合わせる。

◆仲本殊勲三塁打&裏を三者凡退切り/マウンドで雄たけび

 延長十二回表2死二塁。具志川は8番仲本敬登が打席に立った。九回途中からマウンドに上り、この日の2打席目。カウント0―1から高めに浮いた球を振り抜くと、打球は左翼を越え三塁打に。2走が生還し、決勝点となった。続くその裏の登板では相手を三者凡退に打ち取った。試合終了と同時に「よっしゃー」と声を張り上げ、満面の笑みを見せた。マウンドに上ったのは、九回裏無死一、二塁のピンチの場面。この回、チームは捕球や送球など小さなミスが続き、流れが相手に傾きつつあった。

 この日、登板予定はなく「めちゃくちゃ緊張していた」と言う。先頭打者に単打を許し一打逆転のピンチを招いたが、後続を変化球で断ち切った。以降は自分のペースを守り「割と冷静にコースを付けた」と内外を丁寧に突き好投を続けた。走者を背負っても笑顔は絶やさなかった。

 殊勲の三塁打も「打撃は得意じゃなくて全然打った感触がなかった」と話すが、攻守で勝負強さを見せ勝利の立役者となった。試合後、「まだまだ先輩と一緒に試合したかったので、本当にうれしくて、最後は何を言われたか覚えていない」と、仲間からの称賛を一身に受けていた。
 (上江洲真梨子)


▽2回戦
具志川
201 101 000 001|6
001 000 103 000|5
球 陽
(延長十二回)
(具)眞喜志、城間、仲本―與那嶺
(球)仲村―奥間
▽三塁打 仲本(具)
▽二塁打 山内、仲村、新里(以上球)

 ●球陽 投打でチームをけん引した仲村周 「最後は悔いが残らないよう一球一球全力だった。九回裏には何が何でも打ってやる、との執念が4点目の適時打につながった。後輩たちには、自分たちの分まで結果を残せるよう頑張ってほしい」