「生活に影響ないのか」…うるま市で高濃度の有害物質PFAS検出 住民ら不安と怒り


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土壌から高濃度の有機フッ素化合物PFOSが検出された湧き水「ウキンガー」=6月、うるま市宇堅

 【うるま】うるま市の米陸軍貯油施設の汚染水流出事故で、琉球新報が京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)に現場近くの土壌などの分析を依頼したところ、高濃度の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)の値が検出された。今回の事故以前からの流出も懸念され、残留性が指摘される同物質に対し、周辺住民は「本当に生活に影響はないのか」と不安視した。

 流出現場から約2・5キロの市宇堅にある湧き水「ウキンガー」の土壌からは、PFOSが1キログラム当たり846・3ナノグラム検出され、環境省の全国底質調査の最大値460ナノグラムを大幅に超えていた。

 宇堅区の兼城賢栄自治会長(62)によると、現在、ウキンガーの主な役割は拝所となっており、農業用水などの使用はないという。一方で「植物の根が吸い上げ、近くの畑などに染みこんでいる可能性もあるのでは」と懸念した。付近は以前、米軍施設があったことから「返還前からなのか、上流域の米軍施設からなのか分からないが、何年も残留すると聞くので不安だ」と語った。

 6月の流出事故後に現場で抗議をした、うるま市島ぐるみ会議の宮城英和事務局長は流出について「今回の事故だけにとどまらず、根深い問題だ」と指摘した。高濃度の検出については、事故以前に原因がある可能性に触れて「至る所に危険が潜んでいるということだ」と強調した。

 米軍が普天間飛行場内から有機フッ素化合物を含む液体を基地外へ放出する計画があることにも言及し、「残留性が強いと分かっているものを、よくもそんな恐ろしいことができるな」と怒りをあらわにした。


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