米軍が普天間飛行場内から有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水を基地外の公共下水施設へ放出する計画で、国と県、宜野湾市は13日午前、同飛行場に入って米海兵隊から処理について説明を受けた。県や市の代表者によると、PFASを含む汚染水は従来、日本の専門業者に焼却処分をしているが経費がかさむため、環境基準値以下にPFASの濃度を低減した上で放出したいと説明があったという。市は改めて焼却処分を求めた。
15日ごろに改めて国と県が基地内に入って米軍を含む3者が処理後の水を採取し、PFASの濃度を調べる。
県の古堅圭一基地対策課長や宜野湾市の和田敬悟副市長らは基地のゲート前で取材に応じた。県や市によると、下水施設に流した場合、地下の下水管を通って宜野湾市伊佐にある県の最終処理場に送られるが、通常の汚水処理で有機フッ素化合物のPFOSは低減できず、そのまま海に流れる。米軍は基地から出す前に日本の環境基準を下回る濃度に抑えると説明している。
海兵隊は、国や県、市に対し、6月にうるま市の米陸軍貯油施設からPFASを含む汚染水があふれた事故に触れ「いつまでも危険な汚染水を保管するリスクを減らしたい」と説明した。訓練でPFOSを含む泡消火剤は2、3年前から使っておらず、それ以前の使用で生じた汚染水を保管しているという。
7万6千~17万リットルのタンク6つなどに汚染水を保管しているが海兵隊は「総量は把握していない」と述べた。
和田副市長は米軍に対し「普天間飛行場から泡消火剤が流出した事故があって市民がナーバスになっている。できれば従来通り焼却処分にしてほしい」と申し入れたという。