やんばるの豊かな森と海を指で壁画に フィンガーペインター・ユカコさん


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壁画アートを制作したフィンガーペインターユカコさん=6月20日、国頭村奥間のオクマプライベートビーチ&リゾート

 【国頭】国頭村奥間のオクマプライベートビーチ&リゾート(中野一良総支配人)で、6月17~20日の4日間、WALL PAINTING(壁画制作)のイベントが開催された。海辺の施設マリンハウス・インフォメーションデスクの壁2面に、県内外でアーティストとして活動中の「フィンガーペインター ユカコ」さんが巨大な壁画アートを4日かけて完成させた。周囲の魅力的な自然景観と融合した壁画アートに仕上がっている。この場所を通る人々は立ち止まって作品を眺めたり、記念写真を撮るなど喜ばれている。

 指で描くのが特徴。思いをダイレクトに伝え、北部などの世界自然遺産登録を見据えて「やんばるの森とオクマの自然」として制作した。幅7・5メートル、高さ3メートルの巨大な壁画アート。壁画には「ヤンバルクイナ」「イシカワガエル」「アカショウビン」「ウミガメ」「カンムリワシ」などの希少生物と、「プルメリア」「クワズイモ」「サガリバナ」などの植物が描かれる。壁画は海と山の融合を意識しながら描いたという。

 ユカコさんは同ホテルのロビーラウンジで開催してる「クリエイターズサーキット」で作品展示し、ライブペイントも実施した。その縁で依頼を受けた。

 オクマビーチは、昨年から続くコロナ禍で観光客が減少し厳しい状況下にある。そんな中、5月10日、やんばるの自然が世界自然遺産への登録勧告というニュースを受け、アートを通して県内外の人々にやんばるの豊かな自然の素晴らしさをアピールしたいという思いから企画・実施した。

 ユカコさんは、2014年に沖縄へ移住。沖縄を拠点に個展、ライブイベントを行いながら世界を目指して活動している。「4日間、スタッフ・宿泊客・地域の方々などから温かい言葉やつながりをいただき、心が満たされた。大好きなやんばるで描かせていただけて幸せです」と述べた。
 (新城高仁通信員)