米軍コンテナ落下でヘリ飛行停止要求に防衛相応じず 「全機材を再点検」


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岸信夫防衛相(資料写真)

 【東京】在沖米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリが渡名喜島沖につり下げ輸送中の鉄製コンテナを落下させた事故に関連し、岸信夫防衛相は16日の会見で、「(同型機の)飛行の停止は求めていない」と述べた。地元からは原因が究明されるまでの間、同型機の飛行中止を求める声が上がっているが、岸氏は米側からつり下げ訓練など、「運用に関する全ての機材の再点検を行った上で飛行を継続している」と説明を受けていることを理由に、飛行中止の要望に否定的な見解を示した。

 岸氏はヘリが所属する第1海兵航空団から「事案を深刻に捉えており、当該事案の発生原因を特定するため、徹底した調査を行うとの説明を受けている」と述べた。

 その上で、防衛省として米側に遺憾の意を伝え、原因究明と再発防止策の徹底を申し入れたことを改めて説明した。また、航空機の安全管理に万全を期すよう求めているとした。

 加藤勝信官房長官は16日の会見で、「政府として米側に対し、遺憾の意を伝えるとともに、原因究明および再発防止策の徹底を申し入れた」と説明。一方、今回の事案が「機体そのものの不具合ではない」「機材の再点検を実施した」などの理由から、米側に事故を起こしたものと同機種のヘリの飛行停止を求めない意向を示した。