レスリング男子グレコローマンスタイルの東京五輪代表で、ともに初出場の77キロ級の屋比久翔平(浦添工高―日体大―日体大大学院出、ALSOK)と60キロ級の文田健一郎(ミキハウス)が16日、オンラインで取材に応じた。屋比久は「泥くさくてもいい。前に出る自分のレスリングを貫いてメダルを目指したい」と気合を入れた。2019年世界選手権覇者の文田は「やってきた全てを出し切って、金メダルを獲得したい」と闘志を燃やした。
屋比久の77キロ級は8月2、3の両日に行われる。本番は目前だが、屋比久は「緊張もないし、かといって緩くもない」と良い精神状態で練習に励んでいる。減量もあと4キロほどで順調に進んでおり「あとは詰めるところを詰めるだけ」とコンディションが良好であることをうかがわせた。
注力している練習は五輪出場権を獲得した4月のアジア予選で課題となったグラウンドでの攻防。攻めで「リフト技がしっかりかけられるようにやってきた」、守りでは「相手が力を出せないポジション取りをやってきて、技術的にはまってきている」と好感触を語った。
77キロ級はパワーにたけた世界の強豪がひしめく激戦区だが、小学4年で競技を始めた頃から父・保さんに教えられた「前に出るレスリング」をやり続けることで「相手の体力を削って削って、最終的に1ポイントでも多く取りたい」と必勝パターンを描く。出場16人の中でも「スタミナは自分が一番あると思っている」と勝ちきる体力にも自信をうかがわせた。
対戦したい選手に挙げたのは、第2シードのアレクサンドロス・ミチェル・ケッシディス(スウェーデン)。18年の世界選手権で敗れており「あの時は勝ってる流れだったけど、安易な攻めから逆転された。勝ってればメダルにも絡めていた。すごく悔しい思いをしたので、リベンジしたい」と闘志を燃やした。
県勢初の五輪出場を決め「沖縄にいるとレベルの高い選手と肌を合わせる機会は少ないけど、大学からでも頑張れば日本王者や五輪選手になれることを伝えられたと思う」と胸を張る。地元の後輩に向け、本番では「前に出て、常に相手にプレッシャーをかける姿を見てほしい」と語った。