菓子製造・販売のナンポー(那覇市、安里睦子社長)は、子どもたちに菓子作りを通して創造力を育み、沖縄の食文化に触れてもらおうと、100%県産紅イモを使った同社主力商品「べにいもたると」が家庭で作れるキット「焼きたてたるとやさん」を開発した。「遊んで学べるお菓子シリーズ」の第1弾で、8月1日から同社のオンラインサイトで販売する。
キットには舟形のタルト生地10個と紅イモペースト、絞り袋が入っており、トースターやオーブンで焼くことで本格的な「べにいもたると」が作れる。税込み1058円。
ナンポーは主に観光土産菓子を製造販売しているが、長引く新型コロナウイルスの影響で観光客が激減し、主力商品に使う紅イモの生産農家も厳しい状況に置かれている。
安里社長は生産農家を守る方法を模索する中で、コロナ禍で子どもたちの遊びや学びの場の確保に苦労しているという子育て世代の自社従業員の声にも着想を得て、同商品の開発に至ったという。
安里社長は「子どもたちの学習支援だけでなく、県内の農業や産業支援にもつながる。子ども食堂や一人親世帯への寄贈品にも広く活用してほしい」と述べ、新しい食育支援の形として活用を呼び掛けた。
同社は19日、キット約550個を県内の保育園や子ども食堂へ寄贈した。