琉球古典音楽野村流保存会会長などを務める琉球古典音楽実演家で、山之口貘賞を受賞した詩人でもある勝連繁雄(本名繁男=しげお)さんが20日午後0時38分、誤嚥性(ごえんせい)肺炎のため、北中城村内の病院で死去した。80歳。今年に入ってから体調を崩し、病気療養中だった。北谷町出身。自宅は北谷町。告別式は近親者のみで執り行う。喪主は妻エミ子(えみこ)さん。
勝連さんは1940年9月、北谷町生まれ。10代のころから文学や三線に親しんだ。歌三線では琉球古典音楽野村流保存会の師範。三線奏者として、国指定重要無形文化財「組踊」や同「琉球舞踊」(いずれも総合認定)の保持者、県指定無形文化財「野村流」保持者などに認定された。沖縄芸能協会会長も務めた。
詩人としては詩集「火祭り」で2002年に第25回山之口貘賞を受賞した。
文学関係では他に、詩集「風の神話」や小説集「記憶の巡歴」などを刊行した。芸能関係でも「歌三線の世界」「琉球舞踊の世界」「組踊の世界」など多くの著書がある。
近年も19年に県文化功労者となり、20年9月には小説「大主の国遊び物語」を刊行するなど、芸能の実演や研究、文学活動、評論活動などで幅広い活動を続けていた。