新型コロナウイルスにおける米ファイザー製ワクチンの各都道府県への供給減少を受け、琉球新報の取材に対し、県内14市町村が集団接種の予約枠減少や予約延期など、接種計画への「影響がある」または「減少が続けば影響が出る恐れがある」と回答した。一部の市町村は既に計画変更を余儀なくされている。ほぼワクチン接種が完了している小規模離島を除く県内全市町村に対し、21日までに取材した。
接種計画に「影響がある」または「減少が続けば影響が出る恐れがある」と回答したのは名護市、うるま市、沖縄市、宜野湾市、浦添市、那覇市、豊見城市、糸満市、読谷村、嘉手納町、中城村、西原町、与那原町、南風原町。
「個別接種への影響を抑えるため、64歳以下の新規予約受付を延期した」(うるま市)、「新規の予約数を減らして対応する」(嘉手納町)、「8月以降、週末は1日当たり千人の集団接種を予定していたが、500人に減らした」(中城村)などの影響が出ている。
西原町は供給減だけでなく、個別接種が想定より多く、集団接種のワクチンを個別接種に回していることも一因という。7月27日と8月に予定していた集団接種7回のうち6回を中止する。
沖縄市は「供給不足が続けば8月の集団接種から影響が出る恐れがある」とした上で、影響を回避するため「個別接種をする病院にワクチン提供を依頼している」と説明した。
各市町村の担当者からは「国からせかされて接種を進めたのにブレーキを踏まれては困る」「スケジュールが立てられない」「少なくとも2カ月程度の見通しを示して」など、国に安定供給を訴える声が相次いだ。
県は接種率向上を目指し、3カ所目となる県の接種会場を那覇市若狭に設置する。ワクチンは那覇市が保有するファイザー製を使用する。一方でほとんどの市町村は県へのワクチンの融通について「予定はない」と回答した。ワクチン量に「余裕がない」ことなどを理由に挙げた。