「表示小さい」「電光掲示を」 新市民会館「なはーと」バリアフリーを障がい当事者がチェック


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 10月31日に那覇市久茂地に開館する那覇文化芸術劇場なはーと(新市民会館)で障がい当事者によるバリアフリー対応設備の内覧会が16日、開かれた。県脊髄損傷者協会と那覇市身体障害者福祉協会の会員ら約10人が市担当者の説明を受けながら、施設の設備を見学。トイレ表示の小ささや劇場内に文字で情報を伝える電光掲示板がないことなどを指摘した。今後出席者側が意見をまとめて提出し、市側が対応を検討する方針。

大劇場内にある取り外し式客席の説明を受ける参加者=16日、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーと

 参加者は、音楽や舞踊、演劇など公演に活用できる大劇場や多目的ホールとして利用できる小劇場のほか、トイレや授乳スペース、楽屋などを回った。

 劇場内には取り外し式の席が整備され、大劇場は最大約40の車いす席が用意できるという。一方、舞台の横や上などに文字で情報を伝える電光掲示板がなく、参加者は「非常時に聴覚障がいのある人が状況を把握できるよう、設置を検討してほしい」と意見を伝えた。

 トイレの前には、音声案内で場所を知らせるシステムが導入された。ただ、利用できるのは視覚障がい者向けの音声案内装置「シグナルエイド」を持ち歩く人に限られる。視覚障がいのある渡嘉敷綏秀(すいしゅう)さんは「装置を持っている人はほとんどおらず、なかなか普及していないのが現状だ」と語った。

 このほか、トイレの場所を知らせる表示が小さいことや、赤や青などの色分けがなく弱視の人が判断しづらいという意見などもあった。県脊髄損傷者協会の仲根建作理事長は「文化発信の拠点として、県内で模範となるバリアフリー施設になってほしい。今回の課題について対応を協議してもらい、それを継続的にチェックすることが私たちの役目と考えている」と話した。