北信越総体 レスリングの金城里音「日本一へ」気合十分


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 全国高校総合体育大会「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」が24日、開幕する。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となる。福井、新潟、富山、石川、長野、和歌山の6県広域開催で、25日に始まる男子バスケットボールを皮切りに、8月24日まで30競技が行われる。県内からは26競技に416人(男子239人、女子177人)が参加する予定。レスリングでは県内ただ一人の女子選手である57キロ級の金城里音(浦添工3年)が九州予選で優勝を果たし、全国への切符をつかんだ。県大会や九州予選を突破した選手たち。それぞれに思いを抱き、全国の舞台で積み上げてきた力をぶつける。

高校レスリングで県内ただ一人の女子選手として全国一を目指して練習を重ねる浦添工3年の金城里音=16日、浦添工高

 レスリングに打ち込んできた浦添工3年の金城里音。新型コロナウイルスによる県外大会の中止で力を試す機会を失い、モチベーションの維持に苦心した。何度もくじけそうになったが、周囲の励ましで気持ちをつなぎ止め、高校最後の年に57キロ級で九州大会を勝ち抜いて優勝し、初の全国総体の出場権を獲得した。県内で女子選手は現在、1人だけ。全国大会では集大成をマット上で存分に発揮し「日本一を目指す」と気合は十分だ。

 競技を始めたのは高校に入ってから。中学ではバスケットボールや陸上の砲丸投げを経験した。進学後、「体格がいい」と教諭に勧められるままにレスリング部に入部した。「パワーには自信がある」とすぐにのめり込んだ。1年生の12月にあった九州大会を勝ち抜き、3位入賞。約1カ月後の全九州新人大会で優勝を果たした。

 しかし、この大会以降、感染症の影響で全国の舞台が遠のいたことで、競技になかなか集中できなくなった。練習相手の男子に負け続ける日々が続いた。

 去年の冬にはもう気持ちが切れかけた。競技を通じて知り合った2歳年上の先輩に電話で相談し、背中を押してもらった。先輩以外にも多くの人に支えられ、レスリングを続行。その分、競技力も向上したと実感している。レスリングは8月21日に競技が始まる。「感謝の気持ちも込めて大会に臨みたい。相手の力を利用して、うまく攻めていきたい」と意気込みを語った。

 (謝花史哲)