北信越総体 ヨットの福浜幹人、初の全国大会に「満足できる結果を」


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 全国高校総合体育大会「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」が24日、開幕する。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となる。福井、新潟、富山、石川、長野、和歌山の6県広域開催で、25日に始まる男子バスケットボールを皮切りに、8月24日まで30競技が行われる。県内からは26競技に416人(男子239人、女子177人)が参加する予定。九州大会で7位以上が全国総体出場の条件だったヨットでは福浜幹人(沖縄高専3年)が4位入賞で出場を決めた。県大会や九州予選を突破した選手たち。それぞれに思いを抱き、全国の舞台で積み上げてきた力をぶつける。

大会を前に最後の調整を行う福浜幹人(沖縄高専)=18日、中城湾(又吉康秀撮影)

 ヨットのシングルハンダー級で九州予選を突破した沖縄高専3年の福浜幹人が自身初となる全国の舞台に挑む。

 九州大会は新型コロナウイルスの影響から1年生の時以来、今回が2回目だった。3日間で計7レースを行い、総合順位を争う。初日に出遅れたが、2日目以降に風をつかみ、巻き返して勝負強さを発揮した。全国という初めての舞台に「どれくらい通用するか分からない。とにかく最後は笑って終われるようにしたい」と戦い抜く覚悟だ。

 父親の趣味がセーリングクルーザーだったことから、幼い頃からヨットを身近なものとして育ってきた。小学生の時にクラブに所属し、艇を操ることを学んだが、中学はバレーボールに打ち込んだ。球技を引退後に再びヨットの魅力に引かれ、本格的に競技を始めることを決意した。

 一方で将来を考え、進学は「沖縄高専へ」とも決めていた。そのため地元の与那原町での練習は週末のみ。その環境でも情熱が冷めなかったのは1年生の時に出場し、最下位に終わった九州大会だった。1、2位には同い年が入り、悔しい思いをした。平日は体力強化に集中。プロの動画で研究し、見覚えた技術は週末の短い練習時間に洋上で試した。セールで風を捉え、艇を進める腕を必死に磨いてつかんだ初の全国総体だ。日々の努力は裏切らなかったとも実感している。

 全国の舞台は和歌山の海。「沖縄と違い、そこまで強い風は吹かない。繊細さが必要になる。難しいレースになると思うが、満足できる結果を出せるように頑張りたい」と8月中旬のレース本番に備える。

 (謝花史哲)